Canon RFマウントの小三元レンズの一つ、RF70-200mm F4。
元々2020年12月下旬に発売予定でしたが、事前予約の時点で大幅な注文が入っていたため発売日に共有できないという判断から発売日が延期。
2021年3月10日(水)に満を持して発売されました。
■RF70-200F4のポートレート作例
■小三元の望遠レンズとしては破格の軽さ
■圧倒的な描写力!絞りがF4で問題ないなら超おすすめ
この記事ではCanonの小三元望遠レンズ「Canon RF70-200mm F4L IS USM」のレビューを紹介します。
結論から言ってしまうと、軽いは正義です。
正直「RF70-200 F2.8 L IS USM」とずっと迷っていたのですが、私は自信を持ってこちらの「Canon RF70-200mm F4L IS USM」をおすすめします。
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RF70-200mm F4L IS USMの概要
RF70-200mm F4Lのスペック
レンズ構成 | 11群16枚 |
---|---|
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
最小絞り | 32 |
最短撮影距離 | 0.6m |
最大撮影倍率 | 0.28倍(200mm時) |
フィルター径 | 77mm |
最大径×長さ | 約φ83.5mm×119.0mm |
質量 | 約695g |
※スペック情報は「Canonの公式HPページ」より引用しています。
RFレンズの24-105mmF4Lとほぼ同等の大きさ
RFの70-200mm F4Lは、同じくRFレンズの標準小三元レンズ「RF24-105mm F4L IS USM」とほぼ同じサイズです。
これまでのEFレンズではインナーズーム(ズームしてもレンズの全長が変わらない)でしたが、RF70-200mm F4レンズはズームすると全長が伸びる作りになっています。
そのおかげでレンズを一番縮めた状態では非常にコンパクトになっています。
これにより今まで「荷物になるから…」と望遠レンズに億劫になっていた場面でも、比較的気軽に持ち運ぶ気にさせてくれます。
実は重さもRF70-200mmF4Lの方が約5gほど軽くなっています。驚きの軽さ…
R6にRF70-200mm F4Lを装着した様子
Lレンズといえば白いレンズが特徴。レンズフードはやや大きいですが、それでもかなり小さい印象です。そしてなにより軽い!
EFの70-200mF4Lは約760gあるのに対して、RF70-200mmF4Lは約695gと約65gも軽くなっています。この差は大きく、サイズも小さくなっているため数字以上の軽さを体感することができます。
さすがに最大までズームした場合のサイズは大きめです。
ただ、前述したとおり軽いため、サイズほどの重さは感じません。R6、R5の個体とベストマッチのサイズ感だと感じます。
RF24-105mm F4 L IS USMの箇条書きレビュー
- 安心のF4通し
- 描写性能はさすがのLレンズ、解像感はすごい
- 開放でも隅まで高精細
- 望遠レンズなのにかなり寄れる
- 風景からポートレートまで万能に使える
- 手ブレ補正付きでスローシャッターも安心
- フォーカス速度が早い
- フィルター系77mmでブラックミストがRF24-105mmF4と使い回せる
RF24-105mm F4L IS USMの良い点
とにかく軽くて小さい
特徴にも記載しましたが、70-200mmのレンズとは思えないほどコンパクトです。
標準ズームレンズの24-105mmF4と同じサイズなのは本当驚きで、レフ機を使っていた時を考えると信じられないサイズダウンです。350mmの缶(例えばビール)とほぼ同じサイズ。とんでもないですね…
小さくなっている分、軽くなっているので、望遠レンズを気軽に持ち運ぶことができます。
これまでの望遠レンズはデカくて重い物が多く、持っていくにはそれなりの気合が必要でしたが、このレンズは標準レンズが1個増えたくらいのノリで持っていけます。
どんなにいいレンズも使わなければ宝の持ち腐れです。気合の入った撮影でなくても持ち運ぶ機会が増えることで、それだけ撮れる写真のバリエーションが増えることになります。
軽いは正義。このレンズの最大の強みはそこにあると思ってます。
RF70-200 F2.8 L IS USMとほぼ同等の高画質
このレンズを検討する際、どうしてもRF70-200 F2.8 L IS USMの存在が気になる方が多いと思います。
大三元レンズと比較してどうなのか?という点ですが、正直画質に関してはほぼ変わりません。めっちゃいいです。
気になる点にも書くんですが、F2.8というボケに関してはどうしても敵いません。そういう意味で表現の幅は1段負けているといえます。
ただ、同条件で撮影した写真を見比べれば正直ほぼ同等の超高画質です。
とんでもない画質オタクの方は見抜けるのかもしれませんが、大きく引き伸ばすプリント出ない限り、「どっちのレンズで撮った写真か?」を見抜ける人はほとんどいないと思います。それくらい画質はいいです。
望遠レンズなのに寄れる
EF70-200mF4Lの最短撮影距離が100cmなのに対して、RF70-200mmF4Lは60cmと約40cmも被写体に寄れるようになりました。
ざっくりとしたイメージですが、手を伸ばした先にピントが合うくらいの距離感です。
これ、思った以上にこれまでの望遠レンズと撮影のイメージが変わってくるくらい寄れます。
あまりに小さいものは難しいですが、多少大きい物なら物撮りにも使用できるレベルです。
地味な進歩ですが、撮影の幅が広がるのはかなりのメリットといえます。
RF70-200mm F4 L IS USMの気になる点
F2.8の「ボケ」が欲しくなる時がある
RF70-200mmF4は、ほとんどの被写体を問題なく撮影できるレンズです。
特にEOS Rシステムは高感度に強いカメラが多いため、多少暗い環境でもISO感度を上げれば問題なく撮影ができるでしょう。
ただ、どうしても物理的に対応できないのはF4までという絞り値。
仮に撮影の中でF2.8のボケが欲しい場合が出てきても「RF70-200 F2.8 L IS USM」でないと対応できません。
正直よく見比べないとわからないレベルではありますが、ものすごく厳密に比べると画質やボケの質感は「RF70-200 F2.8 L IS USM」が勝っている印象です。
ここは重さとのトレードオフなので、どちらがいいかというよりは自分の目的・求めるレンズを選ぶのがいいと思います。
テレコンに非対応
RF70-200mm F4 L IS USMはレンズの構造上、テレコンバーター(焦点距離を1.4倍とか2.0倍に伸ばせるアクセサリー)に非対応です。
ポートレート撮影で困ることはあまりないですが、運動会や野鳥撮影など、長い焦点距離が必要な撮影が多い方にはかなり大きなデメリットになるかもしれません。
ちなみにEF70-200mmF4はテレコンに対応しています。
例えば今レフ機を使っていて、EOS Rシステムに乗り換えを考えている方は、このレンズでは同じようなことができないため別のレンズを検討する必要があります。
(2021年4月時点)在庫が潤沢じゃない
2021年4月時点、RFレンズはまだまだ供給不足で、マップカメラやカメラのキタムラでも基本的にお取り寄せになっている状況です。
R5やR6は在庫を見ることが増えてきましたが、RFレンズの安定供給にはまだまだ時間がかかりそうです。
参考まで私はマップカメラでの購入ですが、2021年3月31日に注文し、4月21日に受け取っています。
約3週間…一昔前に比べればレンズ供給の速度は早まっているようにも感じます。
https://twitter.com/chanmog_blog/status/1384832629048975366
RF70-200mm F4L IS USMのポートレート作例
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RF70-200mm F4L IS USMのファームウェア確認方法
RFシステムはカメラ本体だけでなくレンズにもファームウェアが存在します。
レンズのファームウェアを調べるには、「レンズをカメラ本体に装着した状態で」カメラの設定からファームウェアの項目を選びましょう。
もしレンズのファームウェアが最新じゃない場合、AF制度に影響する可能性があるため、公式サイトでファームウェアをダウンロードし、レンズの情報を書き換えましょう。
まとめ:RF70-200mm F4 L IS USMは大三元レンズに匹敵する銘玉
発売延期から満を持して登場した「RF70-200mmF4L」。冒頭にも書いたとおり「小ささ」が最大の武器なレンズです。
もちろん小さいから描写が残念ということはなく、RFレンズの中でもトップクラスの性能を持つ「RF70-200 F2.8 L IS USM」とほぼ同等画質といって差し支えないと思います。
価格は20万円弱と、小三元レンズとはいえ高額な点は気にところではあります。
ただ、せっかくRシステムを使うからには、EF70-200mF4Lをマウントアダプターで使用するよりRシステムに最適設計されたこのレンズをおすすめします。
CanonのRシステムのカメラを使用中の方で望遠レンズどうしようか悩んでいる方は、「このレンズで問題ないですよ!」と背中を押させていただきます(笑)。
ぜひRF70-200mmF4Lを使って撮影を楽しみましょう。
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